日本の起業文化は、リスク回避志向が強く、大企業への就職が伝統的に好まれる傾向がありました。しかし近年は、大学発ベンチャーやオープンイノベーションへの関心の高まり、政府の支援策の拡充により、徐々に変化しています。技術革新を重視し、社会課題の解決を目指す「ソーシャルグッド」なスタートアップも増えています。
大学や公的研究機関(理化学研究所、産業技術総合研究所など)の研究成果を基にした起業が活発化しています。TLO(技術移転機関)を通じた特許の事業化、共同研究による新技術開発、大学内の起業支援施設の整備など、多様な形で産学連携が進められています。これにより、深い技術力を持つ「ディープテック」スタートアップの創出が期待されています。
日本政府は「スタートアップ育成5か年計画」などを策定し、包括的な支援を推進しています。具体的には、JST(科学技術振興機構)やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による研究開発資金の助成、日本政策金融公庫による創業融資、税制優遇措置などがあります。また、グローバル展開を支援するプログラムも多数存在します。
日本の強みを活かした分野でのイノベーションが目立ちます。具体的には、ロボティクス、AI・機械学習、バイオテクノロジー・ヘルスケア、クリーンテック(環境技術)、次世代モビリティ、宇宙産業などが挙げられます。これらの分野では、長年培われたものづくりの技術と、先進的な研究開発が結びついています。
資金調達(特にシード・アーリーステージ)、優秀な人材の確保、大企業との取引における厳しい条件、グローバル市場への参入の難しさなどが課題として挙げられます。また、失敗に対する社会的な寛容度が欧米に比べて低いことも、挑戦をためらう要因の一つと言われています。これらの課題を克服するための民間・公的支援が拡充中です。